教員免許、取るべき?就活と迷っているあなたへ伝えたい注意点

教育実習

「教員になるつもりはないけれど、せっかく大学で教職課程を選べるのなら、取っておいた方がいいのかな…」
そんなふうに考えている学生さんは、実は少なくありません。

「何かあったときのために資格だけでも持っておこう」と、いわば“保険”のような感覚で教職課程の履修を検討する人は多いものです。
しかし、その一方で、こんな不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

  • 「本気で教員を目指している人たちと同じ場で、自分はやっていけるのか」

  • 「教職課程を履修する時間と労力を、就活の準備に充てた方がいいのではないか」

将来について迷っている学生さんにとっては、決して軽くない選択です。

この記事では、教職課程を選ぶメリット・デメリットを具体的にお伝えしながら、進路選択のヒントをお届けします。
この記事を読んで、自分自身の気持ちと改めて向き合うきっかけになれば幸いです。

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教員免許、教員志望じゃなくても取る意味はあるの?

大学生活の中で、「教職課程を履修しようかどうか…」と悩み始めるタイミングは、多くの学生さんに訪れます。
進路に迷っているとき、「取れる資格は取っておいた方が将来のためになるよ」という親や周囲のアドバイスを受けて、教職課程の履修を検討し始めた人もいるでしょう。

一方で、大学の先生やキャリアセンターからは「本気で教員になりたい人以外は、教職課程はおすすめしない」という声が聞こえてくることもあります。

両極端な意見に挟まれて、どうすべきか決めかねてしまう気持ち、よくわかります。

確かに、将来の選択肢を増やすため、「保険」として教員免許を取得しておこうと考えるのは一つの戦略かもしれません。
ですが、その“保険”を手に入れるまでには、想像以上の労力と時間が必要です。

まず知っておくべきなのは、教員免許の「有効期限」について。
以前は一度取得すれば一生有効だった教員免許ですが、制度の改正により、今は取得から10年で失効してしまいます。

つまり、教員として働かずに一般企業に就職した場合、その間に10年が経過すると、自動的に無効になってしまうのです。

免許を更新したい場合は、更新講習を受講しなければなりません。
講習には時間も費用もかかりますし、社会人として働きながら講習の時間を確保するのは決して簡単なことではありません。

さらに、教員免許を取得するためには「教育実習」という大きな壁が待ち構えています。
教育実習は、単に「授業を見学する」だけではありません。
実際に授業を行い、指導案を作り、生徒と真剣に向き合わなければなりません。
日中は学校で実習、夜は翌日の授業準備で睡眠時間を削る日々が続くことも珍しくありません。

また、受け入れてくれる学校の先生方は、忙しい日常業務の合間を縫って、実習生のために時間を割いてくださっています。
「とりあえず」という軽い気持ちで実習に臨むことは、相手への失礼にもつながります。

教職課程を履修する前に、もう一度自分自身に問いかけてみてください。
「自分は本当に将来、教員として働く可能性があるのか?」
「教員免許を取得するために、時間と労力をかける覚悟があるのか?」

資格はあれば安心、ではなく、それを取るまでに必要な過程と、自分の将来とのバランスをしっかり考えることが大切です。

教員免許を持っていても就活で有利にならないというウワサがある?

教員免許を取得した場合、それが民間企業への就職活動で有利に働くのか、逆に不利になってしまうのか…。
これもまた、多くの学生さんが気になるポイントではないでしょうか。

よく「履歴書には書ける資格が多い方がいい」と言われます。
たしかに、一般的な資格であれば、自分のスキルや努力をアピールする材料になります。

しかし、教員免許の場合は少し事情が違います。

大学のキャリアセンターや就活セミナーでは、「持っている資格はすべて履歴書に記載しましょう」と教えられることが多いですが、教員免許に関しては注意が必要です。
なぜなら、面接官が教員免許を見たときに、「どうして教職の道ではなく、民間企業を選んだのか?」と質問される可能性が高いからです。

場合によっては、「教員免許まで取ったのなら、本当は教員になりたかったのでは?」と疑問を持たれ、採用を見送られることもあります。
企業側としては、「せっかく採用しても、教員の道が開けた途端に辞めてしまうかもしれない」と考えるのは自然なことです。

そのため、教員免許を持っていること自体が、不利に働いてしまう場面があるのは事実です。

とはいえ、教職課程で得られる経験やスキルは、民間企業でも必ず活かせます。
人前で話す力、計画を立てて行動する力、コミュニケーション力、責任感――これらはどんな職種でも求められるスキルです。

大切なのは、「なぜ教職課程を履修し、免許を取得したのか」「その経験を通して何を学び、それをどう仕事に活かしたいのか」を、自分の言葉でしっかり伝えられるかどうか。

教員免許の取得は、あなたのキャリアにおいてプラスにもマイナスにもなり得ます。
その印象を左右するのは、あなた自身の説明次第なのです。

教職課程と就活の両立には、こんな落とし穴がある

「教職課程も履修して、民間企業への就職活動も全力で取り組みたい」
その気持ちはとてもよくわかります。
どちらも人生において大切な選択肢であり、できることなら両立させたいと思うのが本音でしょう。

しかし、教職課程と就活の両立には、大きなリスクが伴います。

特に注意したいのが、教育実習と就職活動のスケジュールが重なるケースです。
教育実習は、数週間にわたって実習先の学校に通い、授業を担当するなど、責任ある立場で行動しなければならないもの。

一度受け入れ先の学校が決まると、大学との書類手続きや実習先との調整が進み、多くの人があなたの実習のために動き始めます。

その時点で、「就活のために教育実習を辞退します」という選択は、ほぼ不可能と思っておいた方が良いでしょう。
実習先に対して大変な迷惑をかけることになるだけでなく、自身の大学生活にも影響が及びます。

実習中に企業から面接の案内が来た場合でも、教育実習を優先せざるを得ない場面が多いです。
面接日をずらしてもらえることもありますが、企業によってはその時点で「優先順位が低い」と判断され、不採用につながることもあります。

つまり、「どちらも全力で取り組む」というのは理想ではありますが、現実的にはどちらか一方に支障をきたす可能性が高いということ。
無理に両立を目指すことで、結局どちらもうまくいかなかった…ということにもなりかねません。

だからこそ、「教職の道に進むのか」「民間企業を目指すのか」
自分の進むべき道を、できるだけ早い段階で決断することが大切なのです。

総括

ここまで、教職課程を履修するかどうか悩んでいる学生さんに向けて、メリットとデメリットを整理してきました。
最後に、改めてポイントをまとめます。

  • 教員免許は「本気で教員になりたい」と思っている人にこそ、取得してほしい資格である

  • 「保険」として取得しようとする場合、そのために必要な時間・労力・費用・覚悟をよく理解しておくこと

  • 教員免許を持っていることで、民間企業の就活で説明を求められることがあり、場合によっては不利に働くこともある

  • 教育実習と就職活動の時期が重なる可能性が高く、どちらかを優先せざるを得ない場面が出てくる

  • 最後は、自分が本当にどの道に進みたいのかを明確にし、できるだけ早い段階で決断することが大切

進路選択は、自分の人生を左右する大切な決断です。
「とりあえず」で選んだ選択肢が、後になって重荷になってしまうこともあります。

だからこそ、自分自身としっかり向き合い、自分が本当にやりたいことは何なのか、時間をかけて考えてみてください。

あなたの選択が、後悔のない未来につながることを願っています。

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